幼少期(3歳ごろ)から始めることのできる矯正治療で、お子さん専用のマウスピースを使い、アゴの成長の力を借りながら改善させる治療です。
主に受け口(反対咬合)の治療の際に用います。
マウスピース型の矯正装置を使用して、かみ合わせを治していきます。就寝中にくわえるだけで、日中はつけている必要はありませんので、幼い子に対しても負担が小さく応用できます。
ムーシールドは「口腔周囲筋群」の不調和を整え、正常な筋機能に導き、正常な咬合に誘導する装置です。透明のマウスピースになっていて、寝るときにお口の中に装着して使います。これをつけることで、上唇の力が上の前歯にかからないようにブロックされ、逆に舌が上に持ち上げられ、つばを飲み込もうとするたびに下顎に結構力を入れないと、つばが飲み込めないようになります。
つまり、上の前歯付近の顎の成長は、余計な力を排除することで成長を促し、下顎の成長は、筋肉の力で常に引き締めることで過成長を防止する、というシステムなのです。この方法は既成品であるマウスピースを寝るときにつけるだけ、というとても簡単な治療法です。
3歳児から使用することができ、通常数ヶ月から半年で受け口が改善されます。 (受け口が治った後も、継続して装置を使って頂き、後戻り防止のため、 その後あと半年間は使って頂きます。)
まずはお話しを伺った上で、お口の中を見せていただき、ムーシールドをつかって受け口の治療ができるかを診査します。その上でムーシールドを使っての治療が可能であれば、ムーシールドについて医師よりご説明をさせていただきます。
その上で、ムーシールドによる治療を希望されるようでしたら、精密検査を行います。
レントゲン写真、歯型、お口の中の写真を撮影し、それらの資料を基に診断を行い、治療方針を立てます。
精密検査の結果を基に、より具体的な治療プラン(期間・費用)のご説明を行います。
ムーシールドの使い方について親御さんはもちろん、お子さんも合わせて指導いたします。
ムーシールドをお持ち帰りいただき、ご家庭で数ヶ月間~1年の間、睡眠中にムーシールドを装着して頂きます。
ムーシールドを使用中も定期的に来院いただき、治療の進捗度合いを確認してゆきます。
受け口が矯正された後も、後戻りを防ぐために一定期間はムーシールドを装着して頂きます。
3歳児健診の段階で、受け口(反対咬合)の子供さんが4~5%の割合で見つかります。
「成長してゆくに従って、受け口が治る」こともあります。ですが、実際に治る子どもの割合について、検診で受け口と診断された子の約6%しかいないのが現状です。それ以外の子供さん達は、治療を始めるのが遅くなればなるほど、受け口は残ってしまう場合が多いのです。 (特に骨格性と呼ばれる、顎の骨の成長からきてしまうような受け口は、非常に治すのが大変で、大がかりになってしまうことがあります。)
そうなってしまうと、一般矯正(抜歯した上で、ワイヤーで矯正する治療)になってしまい、時間と費用がかかります。よって、なるべく早い段階で「正しい成長発育ラインに乗せる事」が大事になってきます。ですから、お子様の受け口が気になった時、まさにそのときがムーシールドに取り組むタイミングであるといえます。
ムーシールドでの治療を行い、受け口が治った後も、継続して装置を使って頂き、後戻り防止のため、その後最低半年間は装置を使って頂きます。
ムーシールドは、「歯並びを治す」というよりも、「子供の顎の成長を利用して、上下の歯の咬み合わせの関係を正常なものにしようとさせる」という目的で使用するものです。
当然、すべての受け口の症例がムーシールドで治るわけではありません。
たとえば、同じ受け口でも、より噛み合わせが深い症例のほうが、噛み合わせが浅い症例よりも治りやすいといわれて います。また、顔の形が細長い形の人は、受け口が治りにくいといわれています。
しかし、成長期の子供の受け口を治すのに、マウスピースをつけるだけで済むというのは、これまでの治療法と比較すれば本当に画期的なことです。
仮に噛み合わせの異常が残り、一般矯正に移行することになっても、ムーシールドを行っていた分だけ、スムーズに矯正治療が進み、時間の面でも費用の面でもメリットがありますので、何れにせよ早い段階での治療には 多くのメリットがあります。
お子様の受け口でお悩みの方は、まずは一度ご相談ください。